建築めぐり~愛知県犬山市=フランク・ロイド・ライト『帝国ホテル』

建築好きです。50才を過ぎて建築士を目指しています。

そんな私が、久しぶりに建築めぐりをしました。以前は、頻繁に仕事で全国を出張して、各地の有名な建築をめぐってきました。
今は名古屋に赴任して2年経ち、新幹線通勤の生活が落ち着いてきたこともあり、またこのブログを開設したので、建築めぐりをブログでつづっていきたいと思います。

231114071313954

暑かった2023年も11月後半になって、やっと朝晩寒くなってきました。昼間もコートは必要になってきました。相変わらず週1回名古屋に出勤。今回は、愛知県の犬山でお客さんを訪問する予定があったため、早めに犬山駅に着いて、犬山周辺で建築散策しました。

一番のお目当ては、名古屋鉄道が運営する明治村にある、フランク・ロイド・ライト「帝国ホテル」です。近代建築3大巨匠の一人のアメリカ人が大好きな日本で設計した建物です。1919年東京で完成し、その後明治村に移転された建物です。

231115104314228

私はこれまで日本にあるフランク・ロイド・ライトの建物はほぼ見学してきました(池袋の自由学園明日館、芦屋の山邑邸、(甲子園ホテル))(因みに、実家の近くの駒沢の林愛作邸はまだ)。また、アメリカでの落水荘はいつか行きたい憧れの邸宅です。

 

そんな昔のライトの建築の何がスゴイか?どうしてライトの建築をいろんな人が惹かれるのか?

これまで私自身建築を勉強してきていろいろな本を読み、ライトの建築は「有機的建築」だとか「プレーリーハウス」だとかで説明されるものの、ピンときませんでした。私としては、フランク・ロイド・ライトの建物の凄さは、実際に見学してみて、建物すべてにおいてデザインされている、美しいところに尽きます。かといってアジアの仏教寺院やヨーロッパのバロック建築聖堂のようなコテコテな装飾でなく、クール(さりげなく)に細部にわたってデザインされていることに惹かれます。そこには、レイアウトとしての心憎い回遊性「ここからあそこが見えるの?」とか、ふとホッとするシンボル(暖炉)があるところ、急に現れるみごとな外の風景が要素としてちりばめられています。
帝国ホテルは、ライトの作品の中では多少、頑張りすぎのコテコテ感は否定はできませんが。
一方、もう二人の巨匠のコルビジュエ、ミースの建築もすごいと思いますが、理念が私としてはお説教臭くて興ざめしてしまうところを感じてしまうのです。

正面から見ると左右対称で、ライトのファサードの得意技。宇治の平等院からの発想ということでそうです。さすがに100年以上たった建物なので老朽化は否めませんが、竣工当時は素晴らしいものだったと思います。当時、日本を代表するホテルの建築に、フランク・ロイド・ライトに委ねた日本人(林愛作さん)も勇気が要ったと思います。

231115104357701

玄関は深い軒と2mくらいの低い天井でうす暗い、しかし短い階段を上ると高い天井が現れ開放的なロビーになっています。そして、更にスキップフロアの明かりのある方に導かれて、ロビーで見上げたところの2Fに回遊していきます。

231115104541751
231115105201489

そして、そのスキップフロアのシークエンス随所に、大谷石・レンガの造形の内装、窓の幾何学的な縁、照明の造形に驚かされます。すべてライトがデザインしたそうです。

231115105637573
231115104843058
231115105644776

南側2階に喫茶店があり、喫茶しながら空間を堪能したかったのですが、時間に余裕がなくそのまま帰路に就きました。 いい空間でした。

231115105102620

#建築 #愛知 50sblog-archi01-pic231115