朝の散策~架空「花総線」をめぐる

【過去記事20211112】 blog09

11月いい天気が続いて、朝の散策も気持ちがいいです。

いつもの江戸川コース=5kmを、ランドマークを頼りに少し変更して、「架空」コースを試しました。

「架空」といっても「フィクション」ではありません、本来の意味というか、「空に架けるもの」として、「送電線」(正式名「架空送電線」)と「鉄塔」をたどってみました。気づかなかったことが多く、日常でいかに空を見ていないかを今日感じました。

江戸川土手に上ると、いつも気づきませんでしたが、江戸川を送電線が架かっています。東京都に向かう送電線と東京都の鉄塔です。川に送電線を渡す鉄塔は、普通の鉄塔ではなく、高く赤白のペイントをしているそうです。 

以前、この江戸川を渡る作業船が送電線を切ってしまい一帯に大きな停電があったようです。

「鉄塔」について思い出すと、工場勤務のとき、鉄塔向け材料を「どこに鉄塔を立てるの?」と思いながら作っていたことを思い出しました。なお、「鉄塔」は建築基準法では「建築物」ではなく、88条の「工作物」(15m超える柱)として扱われるみたいですが、もっと厳しい法律でルールが決まっているようです。

下の写真は千葉県側の鉄塔です。(後ろのマンションは昔某有名アイドル夫婦(やっちゃえNissan)が住んでいたようです)

そこから、「鉄塔」・「送電線」をたどって今日は散歩します。

鉄塔には名前が付いています。市川駅周辺は「花総線」が架空を走っています。かわいい名前ですが、その由来は?

「鉄塔・送電線」と、家の近くの「電柱・電線」との関係を東京電力HPで調べました。(以下、少し面倒臭くなります)

家庭で普通に契約している電気は100V/200V。海沿いにある発電所で発電する電気は500kVの高圧電気(家庭電気のおよそ5千倍)を送電線と変電所を経由して、すこしづつ電圧を落として各家庭に100Vにして配られているようです。(要は、カルピスの原液をみんなで薄めて飲むということです。(注)わかりやすいようでわかりにくい)

この「花総線」は、66kVの電圧電気を東京都東部から千葉県市川市・船橋市のエリアに電気を届けているようです。「花総線」は東京都足立区にある中規模「花畑変電所」と千葉県船橋市にある「下総変電所」を結んでいます。だから、「花総線」というわけです。

2か所を結んでいるのがポイントで、一方の電線が切れてももう一方から電気を送れば停電しないという魂胆なのだそうです、立派です。

さらに、その「花畑変電所」と「下総変電所」は、もっと大きな変電所である「北葛飾変電所」(埼玉県八潮市)と「新京葉変電所」(千葉県船橋市白井)から275KVの電気を154kVに落としてもらって電気をもらっています、

更にその「北葛飾」「新京葉」変電所は、いろいろな変電所を経由して、海の近くにある「発電所」の500kVもの電気をもらっているようです。

それをたどると、「花総線」は、結局のところ、東京湾沿岸の発電所(千葉・五井)か、太平洋沿岸の福島原子力発電所や茨城県(鹿島)の発電所から電気をもらっているような気がします。それを示すのが東京電力の送電網のマップです。

サラリーマン的に言うと、社長「発電所」→部長「新京葉変電所」→課長「下総変電所」→係長「花総線」→フロアスタッフ「市川市の小さい変電所・電線・電柱」→各家庭といったところでしょうか?

そう考えると、日ごろ市川市のどこの家でも、いつでも、夜照明をつけたり、クーラーで涼んだり、電子レンジでチンしたりできるのは、「花総線」のおかげです。そう考えると、鉄塔は立派に見えました(やっちゃえ鉄塔)。