50代からの一級建築士挑戦(その2) ~映画「AALTO」

名古屋から帰ってくると、総合資格学院から大きな荷物が届いていました。10月に試験のある一級建築士製図試験の講座テキストとA2の図面白紙とエスキス用紙が100枚!ほどドサッと入っています。

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昨年暑い中、重いテキスト類と製図板をもって教室に通ったことを思い出すと、「今年も図面を書くのか・・・」と憂鬱になります。
しかし、自ら目指した夢をかなえるべく、子供の前で実感できる仕事を格好よく披露できるよう、気分を切り替えて前向きに臨みたいと思います。そのためにも、丁度昨年末見た建築家のドキュメント映画について記します。

「AALTO」という映画です。(マイナーな映画なので、郊外の小さな映画館しか上映されておらず、船橋駅で初めて乗る東武アーバンパークラインに乗り換えて千葉県を縦断して柏駅に行きました。この路線は大宮までもいけて便利であることを知りました。)

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さて、面白い名前ですが、「アルヴァ・アアルト」というフィンランドの建築の巨匠です。私自身、建築を学んでいる中で名前は聞いたことがありましたが、アアルトの作品をよく知りませんでした。久しぶりに見た映画で、アアルトの作品・人となりを学ぶことができました。(なお、12/6午前中の最終上映日で、観客は15人くらいでした)

アアルトが活躍した年代は、コルビジュエ、ミース、ライトなどが「近代建築で世界を変えるのだ!」と意気込んだ1930代と一緒で、その彼らとも交流があったようです。アメリカでライトの傑作「落水荘」で過ごしている姿が実録で映画に出ていました。


アアルトの有名作というと、実は世界的に有名なのは建築作品ではなく、木工家具です。誰しもがどこかで見ている「スツール60」です。


これは、アアルトが木材を直角に折り曲げる技術を開発し応用した椅子だそうです。その椅子を始め、建築家の奥さんと立ち上げたArtekで木工家具(特に椅子)やインテリアで世界的に有名になりました。建築家は、建物で有名になるだけでなく、インテリアや照明など要素ごとに有名な人がいて、その扱う分野の広さも私が建築に惹かれるところです。

一方、建築作品では、活躍の場はフィンランドがほとんどで、「パイミオのサナトリウム」が有名です。(建築士一次試験の建築史の問題でよく出題されます。)


今見るとありふれた建物ですが、当時は森の中に、水平連続窓の高層建築は珍しかったのだと思います。また、内装の色彩や、レイアウトも近代建築一色です。
アアルトの人柄ですが、建築家というと難しそうな雰囲気で、いつも巻き尺でどこかを測っているように思いますが、アアルトはダンディな顔つきもあり、とても愉快な楽天家で、営業上手だったようです。映画の中に当時のアアルトの実録が披露されているのですが、「人気者」という感じでした。やはり、人を引き付けるのは人柄であり、美しいものに人間は惹かれるものだと思います。私も今年にはそのはしくれになり、早く一級建築士になり、「美しいもの」のモノづくりを目指したいと思います。

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